ラウンドを重ねるゴルファーは、入手経路は購入したり人からもらったりとさまざまですが、自分専用のゴルフクラブやボールなどのゴルフ道具を所有してそれを使用します。
ところで、プレー中の所作だけでなく、このゴルフ道具にもいろいろなルールがあることをご存知でしたか?
特に競技等に出る場合、ルールに適合していないものを使用すると、ペナルティ(罰打や失格などの処分)を受けてしまうことも。
通常販売されているゴルフ用品であれば問題ないことも多いですが、それぞれ定められているルールを確認し、間違いのないようにしましょう。
目次
ゴルフクラブに関するルール
ゴルフをする上での必需品、ゴルフクラブに関するルールです。
普段何気なく自分のゴルフクラブを使っている人もいるかと思いますが、実はゴルフクラブにも細かいルールが定められています。
これらのルールをすべて覚えるのは大変難しいことです。そこでここでは、最低限覚えておきたい基本的なルールをご紹介します。
ゴルフのルール改正は定期的に行われていますので、都度、最新の情報をチェックしましょう。
ルールに適合したゴルフクラブの要件
ゴルフクラブの要件には、「SLEルール」というものがあります。これは、クラブの反発係数に制限を設けたものです。ちなみに「SLE」とは「spring like effect(バネ効果)」の略です。
高反発クラブという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、SLEルールで定められている数字を超える反発係数のゴルフクラブは、違反クラブとなり、競技で使用することができません。
また、クラブヘッドの体積は460cc以下、クラブの全長は18インチ以上、パターを除くクラブは48インチを超えてはならないと定められています。
SLEルールに違反しているかどうかを目で確認することは難しいですが、通常は販売時に「ルール適合」「ルール不適合」などの表示がされています。また、メーカーの公式サイトなどでも確認ができます。
持ち歩くことができる本数
キャディバッグに入れて持ち運ぶことのできるゴルフクラブの本数は、14本までと定められています。
ドライバーとパター以外に、フェアウェイウッドやユーティリティを中心に組み立ててアイアンを少なくしたり、逆にアイアンやウェッジを多くしてショートゲームに備えたり、組み合わせはゴルファー本人の自由です。
仮にキャディバッグにゴルフクラブを15本以上入れたままコースに出てしまうと、使用するクラブは14本であっても、ペナルティが発生します。
こちらのペナルティは非常に厳しく、2打もしくは4打の罰が科されますので、注意が必要です。
公式な競技に出場する際に、万が一キャディバッグに15本以上のクラブが入っていた場合は、スタート前に使用しないクラブの不使用宣言を行う必要があります。もちろん、プライベートなラウンドや練習ラウンドでは必要ありません。
ラウンド中のゴルフクラブの修理や調整
ラウンド中に、ロフトの変更をしたり、鉛を貼ったり剥がしたりなど、ゴルフクラブの調整を行うことは禁止されています。
調整とはゴルフクラブの性能を変更することで、これに対するペナルティは競技失格、ラウンドは無効という重いものです。
ただし、ラウンド中に調整機能付きのドライバーのネジが緩んだ、鉛が剥がれたなどの現象が発生した場合は、クラブの性能を元の状態に戻すための修理が認められています。
ゴルフクラブの共有の禁止
プライベートラウンドなどでは、同伴者が所有しているゴルフクラブを借りて打つという場面もあるでしょう。
しかし、正式な競技では、1ホールにつき2打罰、1ラウンドでは最高4打罰のペナルティが科されます。
ちなみに、借りたわけではなく、間違えて打ってしまった場合も2打罰となりますが、打ってしまったボールはインプレーとなるため、打ち直しなしで前進します。
ゴルフボールに関するルール
ゴルフクラブだけではなく、ゴルフボールにもルールが設定されています。
ルールに適合しているボールはどんなものなのでしょうか。ボールに関するルールは以下のようになっています。
ゴルフボールの大きさ、重さ
ゴルフボールを購入する際、ヘッドスピードが遅い人向けの柔らかいボール、速い人向けの硬いボールなど、硬さを購入基準にしている人も多いと思います。
実は、ゴルフルールにおいて、ゴルフボールの硬さの規定はありません。
規定では、ルールに適合するゴルフボールは、重さは1.620オンス(45.93グラム)以下、大きさは直径1.680インチ(42.67ミリ)以上となっています。
ほかには、初速や総合飛距離といった規則が細かく定められていますが、R&Aが発行する適合球リストに載っていれば公式な競技で使用可能となっています。
ホールアウトまでは同一球
各ホールでティーショットに使用したゴルフボールは、ホールアウトまで、同じものを使用しなければなりません。
ただし、ボールを紛失したり、プレーに適さないほどの傷が付いてしまったりした場合は、ボールの交換が認められています。
条件を満たさずにホールアウト前にボールを交換してしまった場合、1打罰、もしくは2打罰のペナルティが科されます。
ボールの取り替えに関して
ホールアウト後は、ラウンド中何度でもボールを取り替えることが可能です。
ただし、競技の場合は、同伴競技者に、ボールを取り替える旨を伝えてから取り替えたほうが良いでしょう。
ボールがカート道などの障害物に当たって傷付いてしまったタイミングで取り替えたり、中には気分転換や験を担いで取り替えるという人も。
何ラウンドもその1球だけでプレーすると、性能が落ちてしまうこともありますので、気になった時には取り替えるのが得策かもしれません。
ただし、交換できるのは同じメーカー・ブランドの同じ種類のボールに限ります(数字違いはOK)。同じ種類のボールであっても色違いのボールはNGです。ちなみに、これをワンボールルールと言います。
ティーペグに関するルール
ティーショット時にボールを乗せる、ティーペグ(ティー)にもルールがあることをご存知でしょうか?
あまり注意して考えたことがないという人も多いかもしれません。
ティーペグは、4インチ(101.6ミリ)を超えるもの、プレーの線を示すことができるようにデザイン・製造されたもの、ボールの動きに不当に影響を与えるもの、ストローク時にプレーヤーの援助となるもの、といった項目を満たすものは禁じられています。
ゴルフは、行動だけでなく、道具に関しても細かな規定が設けられています。
不明な点があればルールブックで確認しながら、基本的なルールを覚えていきましょう。