ボールがラフに入ってしまったとき、無理に距離通りのクラブを持って失敗してしまった経験はありませんか。
100切りをするためには、1打1打がとても大切。「打てるだろう」と難しいクラブを持ってしまって上手く脱出できなければ、途端に大叩きしてしまいます。そんな場合は、確実にラフからボールを出して、次につなげることが大切です。
そこで今回は、ラフでのクラブ選択について紹介します。
目次
ラフからのショットで起こりやすいミス
まずは、ラフからのショットで起こりやすいミスを3つ見ていきましょう。
1打目や2打目がラフに入ってしまって、次打で挽回しようと思っている人にとっては、とても痛いミスばかりです。
チョロ
「チョロ」とは、ボール目がけて振ったゴルフクラブが、ボールにまともに当たらずに、ほとんど飛ばないボールのことです。
ドライバーやフェアウェイウッドでも起こりやすいチョロですが、深いラフに邪魔されてクラブヘッドがボールに届かないことでも起こりやすいミスと言えます。
チョロを打ってしまうと距離が出ず、再度同じようなラフから打たなければならない確率が高まり、その分スコアが積み重なってしまいます。
シャンク
「シャンク」とは、ショットの際ゴルフクラブの軸(ソケット)の部分にボールが当たり、狙いよりも大きく右に勢いよく飛び出していくボールのことです。
シャンクが出ると、フェアウェイキープはもちろん、反対側のラフにボールが行ってしまう可能性や、狭いコースであればボールが飛び出した方向によって、OBになることもあるでしょう。
ラフからのショットは、クラブヘッドがボールに届く前に芝の抵抗を受けやすいため、必要以上に力強くグリップするゴルファーが見られますが、力んでスイングすることでクラブヘッドの軌道がずれてしまい、シャンクが発生する可能性が高まります。
シャンクが出ると確実に1打以上浪費してしまいますので、ラフの抵抗に負けないような適度な力加減を覚えるようにしましょう。
フライヤー
「フライヤー」とは、番手以上の飛距離が出てしまうミスのことです。
クラブヘッドのフェース面がボールにヒットすると、摩擦が発生しボールにスピンがかかりますが、ラフからのショットの場合、芝がフェース面とボールの間に入り込むことで十分なスピンがかからず、番手以上の飛距離が出てしまうのです。
距離が出る分には良いのではと思う人もいるかもしれませんが、狙った以上の距離が出ると、グリーン奥のバンカーやクリークなどのハザードに入ったり、ハザードを運良く避けられても下りの難しいアプローチが残ったりなど、スコアをまとめることが難しくなってしまうのです。
ただし、フライヤーは一定以上のヘッドスピードでナイスショットをしたときに発生しやすくなるため、ヘッドスピードが遅い人はフライヤーの心配をする必要はありません。
目安としては、ドライバーのヘッドスピードが40メートル/秒(m/s)の人であればショートアイアンでフライヤーが発生しやすくなり、ヘッドスピードが速くなるにつれて、より長い番手でも発生する可能性が高くなっていきます。
ラフからのショットはまず“出すこと”を考える
たとえ残りの距離が長くても、ラフからのショットではフェアウェイウッドをすぐに持たず、まずは出すことを優先して考えましょう。
特に深いラフの場合、フェアウェイウッドなどの長いクラブでは、クラブヘッドがボールに到達するまでの間にラフに邪魔されて、ミスショットが出やすくなります。
残りの距離がフェアウェイウッドなどで届く距離だからと簡単に考えてしまうと、大叩きの原因になります。
まずはどのくらいの長さのラフか、ボールはどのくらいラフに埋まっているかを見極めて、場合によっては長い距離が残っていてもショートアイアンやウェッジを選択するなどして、とにかく脱出を優先させましょう。
ラフの深さで選択するクラブを考えよう
それでは、どのような状況ならラフからでもフェアウェイウッドが打てるのか、ショートアイアンやウェッジを持たなければならないのか、考えます。
状況に応じて選ぶクラブについて見ていきましょう。
ラフの上にボールが乗っている
まずは、ラフの上にボールが乗っている場合です。
この状況では、ラフは打球にほとんど影響を与えません。打ちたい距離どおりの番手のクラブを使って問題ないでしょう。
距離によっては、フェアウェイウッドやユーティリティも使って、グリーンや次打を打ちやすい地点を狙って打っていきましょう。
ラフの上に乗っている状態は、ボールが地面よりも浮いていることになるため、短いティーアップをしているときと同様です。落ち着いてナイスショットを狙っていきましょう。
ラフの中にボールが半分ほど沈んでいる
ラフの中にボールが半分ほど沈んでいる場合は、8番アイアン以下の短いクラブで打つのがおすすめです。
ロフトが寝ているため芝の影響を受けにくく、ラフからボールを出すことに適しています。
短いクラブでは残った距離に全然足りないと思う人もいるかもしれませんが、まずは脱出することを忘れないようにしてください。
プロゴルファーでさえ、深いラフからは長いアイアンを持たないと決めている人もいます。
初心者であれば、ラフからボールの頭が半分見えている状況であっても、迷わず7番アイアン以下のクラブを持つようにしてください。
ラフの中にボールが完全に沈んでいる
ラフの中にボールが完全に沈んでいる場合は、ラフからのショットの中でも一番難しい状況です。
ここでは9番アイアンやピッチングウェッジなどの、なるべく芝の影響を受けずに振り抜きやすい短いクラブの選択をおすすめします。場合によってはそれ以下の、アプローチウェッジやサンドウェッジの使用も念頭に入れておいてください。
さらにクラブ選択だけではなく、ボールにクラブヘッドをヒットさせるためには、打ち方にもコツが必要です。
ボールとフェースの間になるべく芝が入り込まないよう、払い打ちではなく、ボールのすぐ後ろの芝にクラブを上から振り下ろすようなイメージでショットしていきましょう。
芝の抵抗に負けないよう、いつもよりグリップを強めに握ることもポイントです。
順目と逆目を見極める
ボールがグリーンに乗ってからはじめて、順目と逆目を意識する人も多いようですが、実は順目と逆目があるのは、グリーンだけではありません。
短く刈られたフェアウェイはもちろん、ラフにも順目と逆目は存在します。
順目の場合は、クラブを振り抜く方向に芝が流れているため、スイング時の抵抗が少なく、打ちやすくなります。
反対に逆目の場合は、短いラフであってもボールとフェースの間に芝がはさまって芝の抵抗が強くなるため、芝目に負けないようにしっかりとスイングしていくと良いでしょう。
ラフからのミスを減らして100切りを達成しよう!
ラフからのショットは、フェアウェイからのショットと違い、ミスが出やすいものです。
100切りを目指す初心者にとっては、ラフからの1打もグリーンを狙って打っていきたいと思いがちですが、ミスをしてまたラフからショットをしなければならなかったり、OBを打ってしまったりすると、さらに100切りの可能性が遠のいてしまいます。
ボールがどのようなラフにつかまっているのかの状況判断をしっかりと行い、適切なクラブを選択し、刻むところは刻んで確実にラフから出していくことを考えましょう。
ラフからのミスを減らすことが、100切りを達成するコースマネジメントの1つと言っても過言ではないのです。