基礎知識

ゴルフの基本ルールをシーン別に見てみよう

2021/05/25

ゴルフの基本ルールをシーン別に見てみよう
iStock.com/Thaninee

ゴルフにはたくさんのルールがあります。

経験してみないとどう処置して良いかわからない複雑なルールもたくさんありますが、すべてのルールを覚えることはとても難しいです。

そこでここでは、まずは押さえておきたい基本のルールをシーン別にご紹介します。

ルールを覚えて、みんなで気持ちよくプレーをしていきましょう。

ティーイングエリアでのルール

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まずは、各ホールのファーストショットで必ず使う、ティーイングエリアでのルールです。

それぞれ、実際に起こり得るシーンです。

素振りでティーアップしたボールが落ちた

ゴルフのプレーは、そのホールのティーショットを打ってから始まります。

素振りは、打つ意思のないスイングになりますので、素振りやアドレスを取った時に誤ってクラブヘッドがボールに触れてしまい、ティーペグから落ちたとしても、それは1打に数えられません。

再度ティーアップして、1打目として打つことができます。

打つ順番を間違えた

毎ホール、前のホールで一番スコアが良かった人が「オナー」として、最初にティーショットを打つことがルールとして定められています。その後の打順も、前のホールのスコアが良かった順番です。

しかし、間違えて3番目に打つはずの人が2番目に打ったとしても、そこに罰則はありません。ただし、「風の様子を知りたい」などの理由で順番をわざと遅くするなどの行為は、競技失格となります。

また、マッチプレーの場合は、打順を間違えたプレーヤーに対し打ち直しを要求することができます。せっかくのナイスショットが無駄になってしまうなんてことも。

ティーショットがOBとなった

ティーショットがOBになってしまった時は、1打罰を加え、同じ場所から3打目を打っていきます。もちろん、ティーアップ可能です。

1球目がOBかどうか微妙で打ち直しをする時は、周りに暫定球を打つことを宣言しましょう。その際、1球目に打ったボールと、これから打つボールの違い(ボールの番号や印など)を知らせてから打つようにするといいでしょう。

「プレイング4」を設置しているコースで、ローカルルールでプレイング4の使用が認められている場合は、上記のように打ち直すか、4打目として前進して特設ティーから4打目を打つか、選択することができます。

また、2019年のルール改正では、OBを打った際に適用する以下のようなローカルルールが制定されました。

ボールがOBとの境界線を越えたと推定される地点Aを決め、そこから最も近くかつホールに近づかない、プレーしているホールのフェアウェイとラフの境界線の地点Bを決め、ホールから地点A、地点Bを通る直線とその外側2クラブレングス内のジェネラルエリア内をドロップエリアとして、2罰打を追加してプレーを再開できるようになりました。

文章にするとややこしいですが、図を見るとすぐに理解できます。通常は、地点Aからホールに近づかない2クラブレングスレングス以内のフェアウェイにドロップします。

ボールがOBになった場合、OBの線を越えていったと思われる場所から最も近くてホールに近づかないフェアウェイに基点を決め、2クラブレングス内にドロップ、と覚えておきましょう。

(c)JGA
(画像はJGA『2019ゴルフ規則のオフィシャルガイド』より引用)

ティーイングエリア外からティーショットをした

ティーイングエリアとは、ティーマーカーの両端と、そこから後ろに2クラブレングス分(通常はドライバー2本分の長さ)後方に下がった範囲のことを言います。

プレーヤーはこのティーイングエリア内にボールをセットしてプレーをする必要があります。

もし、ティーイングエリア外にボールを置いて、そのままティーショットをしてしまった場合、誤所からのプレーとして2打罰となります。

ジェネラルエリアでのルール

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ジェネラルエリアとは、ゴルフコース内のティーイングエリア、バンカー、グリーン、ペナルティエリア、OBゾーンを除いた全エリアのことです。

かなり広範囲に渡るエリアですので、ここではいろいろなことが起こります。

障害物上にボールが止まった

障害物=人工物のことです。

ゴルフは基本「あるがまま」ですが、人工物上にボールが止まってしまった場合、無罰で救済を受けることができます。

ボールは障害物に触れていないけれど、アドレスした時に足がかかる場合なども、同じように救済が受けられます。

素振りでクラブがボールに当たってしまった

ティーイングエリアでの素振りがボールに当たってしまった時は、無罰で打ち直しができました。しかし、同じように考えてしまってはいけません。

ジェネラルエリアでの素振りがボールに当たってボールが動いてしまった時は、打つ意思がなかったとしても、1打罰が科されます。

この時、ボールは元の位置に戻して再度打つことでプレー再開となります。

アドレスでボールが動いた

アドレス後、風や傾斜などでボールが動いてしまった時。

プレーヤーが動かしていないことが明らかであれば、ペナルティは加えられません。

ただし、ボールは「あるがまま」が基本となりますので、動いてしまったボールは、新たに止まった位置から打つ必要があります。

間違えて同伴者のボールを打った

自分のボールだと思っていたら同伴者のボールを打ってしまった!

これは、初心者でもベテランでも起こりうる事故で、「誤球」と言います。

この時、ストロークプレーであれば、打ったほうには2打罰が科されます。間違えて打たれたほうにペナルティはありません。

ちなみに、マッチプレーの場合は、誤球をするとそのホールの負けとなります。

自分のボールに気付かず蹴ってしまった

深いラフなどにボールが入ってしまい、簡単には見つからないというシーンです。

探しているうちに、自分のボールを蹴ってしまった、ということもあり得ます。

以前は、1打罰を加え、ボールを元の場所にリプレース、という処置を取っていましたが、2019年のルール改正以降は、無罰でリプレースが可能となりました。

傷の付いたボールを新しいものに交換した

カート道や岩場などに当たり、ボールが傷ついてしまうことがあります。

ボールの転がりに影響が出る、と気にする人もいますが、こすった痕程度では、プレー中にボールを交換する理由にはなりません。

ボールが割れてしまった、など明らかな損傷がある場合は、同伴者に交換する旨を告げた上で、無罰で交換が可能です。

グリーン上でのルール

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ボールがグリーンに乗ったら、いよいよパッティングです。

グリーン上では、どんな場面があるのでしょうか?

風でボールが動いた

ジェネラルエリアと同様に、明らかにプレーヤーに原因がなくボールが動いてしまった場合、罰は科されません。

無罰で、ボールを元の位置に戻してプレーを再開させます。

マークをしないでボールを拾った

グリーン上のボールは、向きを変えたり泥を落とすために拭いたりすることが許されています。

ただし、ボールを拾い上げる時は必ずマークをしなければならない、というルールが定められています。

マークをせずにボールを拾い上げると、1打罰を科されます。

ピンをカップに挿したままパッティングをした

以前は、グリーン上でパッティングする際は、ピンを抜くことがルールでした。パッティングしたボールがピンに当たるとペナルティが科されていました。

しかし、2019年のゴルフのルール改正以降、ピンを抜かずにパッティングすることが可能になりました。もちろん、従来通り抜いてパッティングすることもできます。

ピンは抜いても抜かなくても、どちらでも良くなったのですが、プレーファストの観点から、抜かずにそのままプレーすることが推奨されています。

ハザードでのルール

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最後に、ハザードでのルールです。

ハザードとは、主にバンカーと、ペナルティエリア(池、小川など)のことを言います。

できたらボールを入れたくない場所ではありますが、起こり得るシーンとそれぞれのルールを見ていきましょう。

川に落ちたボールがOBゾーンまで流された

川(レッドペナルティエリア、イエローペナルティエリア)にボールが落ちてしまうと1罰打ですが、そのボールが水の流れで、OBゾーンまで流れてしまった場合はどうなるでしょう?

答えは、「あるがまま」。一度川に落ちたボールでも、OBゾーンに流されてしまうと、残念ですがOBとなってしまいます。

OBの場合は、当然OBの処置を取ります。つまり、最後に打った場所から1打罰で打ち直しか、ローカルルールで認められている場合は前進して2打罰でプレー再開となります。

レーキを動かしたらボールも動いた

バンカーには「レーキ(バンカーレーキ)」と呼ばれる、砂を均(なら)すための道具があります。

このレーキはバンカー周辺のいろいろな場所に置いてあるため、打ったボールがレーキに引っかかっている、ということもよくあります。

この場合、レーキは動かせる障害物なので、レーキを取り除いてプレーを続けることができます。

レーキを動かした際、ボールが動いてしまったら、無罰でボールをリプレースします。

バンカー内で素振りをしたらクラブヘッドが砂に触れた

実際のショットを打つ前に、素振りをする人はたくさんいます。

けれど、バンカー内の素振りは要注意。

素振りをした時、誤ってバンカー内の砂にクラブヘッドが当たってしまった場合、ハザードの状態をテストしたとみなされ、2打罰が科されます。

ルールを覚えて楽しくラウンドしよう!

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以上、シーン別のルールについてご紹介しました。

実際にこのような場面に遭遇した時にあわてずに対処できるよう、しっかりと覚えておきましょう。

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