
ゴルフ初心者であればあるほど、グリーン周りからのアプローチが上手くいけばスコアを大きく更新できるチャンスになります。
ショットよりもアプローチのほうが狙う距離が短いのに、打数を浪費してしまっているゴルフ初心者が多いからです。
ゴルフ初心者にもわかりやすく、アプローチの打ち方や練習方法を解説していきます。
目次
アプローチショットとは?

アプローチショットについて、少し触れてみましょう。
アプローチショットとはグリーンへ乗せるためのショットで、飛距離はグリーン周りからのごく短い距離の場面もあれば、50ヤード以上のある程度の距離のアプローチもあります。
アマチュアゴルファーにとってはスコアに大きく直結するショットになります。
このアプローチでピンの近くに寄せることができれば、パット数も少なくなりスコアを大きく改善させられる可能性が高くなります。
アプローチで使うクラブの種類とキャリーとランの比率
アプローチではいろいろなクラブを使うことができます。これといって決まったクラブはなく、プロゴルファーでもフェアウェイウッドやユーティリティを使ってアプローチを行うケースもあります。
ただし一般的によく使われるクラブがあって、そのクラブの種類やキャリーとランの比率を確認していきたいと思います。
ちなみに、キャリーとはボールが空中を飛んでいる距離のことで、ランとはボールが着弾してから止まるまでに転がる距離のことです。
サンドウェッジ/アプローチウェッジ

アプローチで一番よく使われるのがサンドウェッジやアプローチウェッジです。
サンドウェッジは、ロフト角が56度や58度のものがよく使われています。短いアプローチの場合、キャリーとランの比率は1:1くらいになります。
アプローチウェッジは、ロフト角が50度や52度のものがよく使われています。アプローチウェッジの場合は、キャリーとランは1:1.5くらいの比率が目安です。
ボールがふわりと上がるような弾道が特徴で、グリーンとボールの間にバンカーなどがある場合でも、障害物に関係なくグリーンをアプローチで狙えるのがサンドウェッジやアプローチウェッジを使う場合のメリットです。
ピッチングウェッジ
ピッチングウェッジの一般的なロフト角は、45度前後です。キャリーとランの比率は1:2くらいが目安です。
サンドウェッジなどと違って、ある程度キャリーでボールを運びつつ、転がしてピンに寄せていくようなイメージになります。
ボールとピンの間にボールを落として、転がしてピンに寄せていくような弾道のイメージになります。ランの比率が多めになりますので、手前から転がしていきたい場面では重宝するアプローチです。
9番アイアン
9番アイアンの一般的なロフト角は40度前後が一般的。キャリーとランの比率は1:3くらいが目安となります。ピッチングウェッジよりもランが多く出て、ボールはより前に進む強めのボールが出るのが特徴です。
高さはあまり出ないため、最初からピンに向けて転がしていくようなボールになります。
手前にバンカーなどの障害物がない場合は、大きなミスにつながりにくく、まとめやすいのが9番アイアンでのアプローチです。
基本となるアプローチの弾道と狙い方は?

アプローチショットはボールの高さによって弾道や狙い方が少し異なってきます。アプローチショットの種類や、どのように狙っていくのが正解なのかを見ていきましょう。
ピッチ&ラン
ボールをある程度の高さに上げて、ピンの手前に落として転がしてカップへ近づけていく狙い方がピッチ&ランです。
グリーンの状況やピンの位置が許せば、一番狙いやすく、基本のアプローチとしてマスターしたいショットです。
ボールの落としどころを決めて、ピンに寄せていくようにイメージして打つようにしましょう。
チップショット
ボールを上げるというよりは、転がしてアプローチをするのがチップショット。
ボールとピンの間のハザードの状況や芝目の影響を受けやすいアプローチですが、ミスショットをした時のリスクが低いことがメリットです。
あまり使っている人はいないのですが、ピンまで転がしてアプローチをするための専用の「チッパー」というクラブもあります。
ロブショット
最後に紹介するアプローチがロブショットです。
ボールを高く上げてピンの近くに直接落とす場合やあまりランを出したくない狙い方の時に使用します。グリーンが下っているような場合や、ボールの落としどころからピンまで距離がないような場合では、ロブショットが第一選択になる場合もあります。
非常にかっこいいアプローチショットなのですが、ミスをした時のリスクが高いというデメリットがあります。
アプローチの距離を磨くコツは振り幅で!

グリーン周りからのアプローチで大切になるのは、いかにピンまで近づけるかという距離感です。この距離感を磨くには、まず自分の基準になる振り幅を理解しておくことが非常に大切。
例えばサンドウェッジでハーフショットをしたら50ヤードくらいの距離が打てるとしましょう。
そこからどれくらい小さくすれば40ヤードのアプローチが打てるのか、さらに小さくして30ヤード、大きくすれば60ヤード……というように、10ヤード刻みでスイングの大きさと飛距離を体に覚えさせるとラウンドでもアプローチの感覚が狂いにくくなります。
まずは練習場などで自分の振り幅と距離の基準を練習でつかんでおきましょう。
基本となるアプローチの打ち方をチェック!
いよいよ基本となるアプローチの打ち方です。アプローチをしっかりピンまで寄せるために、少しでも確率の高い打ち方をマスターしましょう。
アプローチの基本はスクエアスタンス

アプローチでは、スクエアスタンスで構えるのが基本です。
スクエアスタンスとは、ボールと目標方向を結んだ線に対して、両足の向きが平行になるように構えるスタンスを言います。
アプローチでは積極的に体重移動をしない
スクエアスタンスで構えたら、体重移動をあまりしないこともアプローチを安定させるポイント。
通常のショットのように左右の足に均等に体重をかけてもいいですし、多少左足に多めに体重をかけてもいいでしょう。
アプローチではボールの位置は番手によって変化する
アプローチでは、正面から見た場合、スタンス幅とグリップの位置はすべて一定で考えます。その上で、使用する番手によってボールの位置が決まります。
一番短いサンドウェッジでボールは右足の前になり、クラブが長くなるにつれ、少しずつボールの位置は内側に移動します。
手打ちを防ぐためアプローチは右手首を固定

アプローチを打つ時には、ハンドファーストで構えたら手首の形をそのまま固定して、肩の回転で打ちます。
特に右手首はがっちりと固定する感覚で、肩とグリップ、シャフトを固定したまま振り子のように使えるようになると安定したアプローチが打てるようになってくるでしょう。
手首を使ってしまうとミスヒットが増えて距離感が安定しなかったり、ミスショットが増えたりといいことがありません。
手打ちを防ぐためにも、右手首の角度を変えないようにスイングすることが大切です。
薄い芝からのアプローチはトウで拾うように
季節によっては芝が元気な季節もあれば、芝が非常に薄い冬のシーズンもあります。芝が元気な季節なら、ラフの上でもボールが浮いていれば基本のアプローチの打ち方で大丈夫です。
しかし、冬や春先の薄い芝の場合は、ゴルフクラブのバウンス(※)が邪魔をして上手くアプローチショットができない場合があります。
※ゴルフクラブの底(ソール)の出っ張っている部分
そんな時におすすめの打ち方が、トウ(クラブフェースの先端側)でボールを拾うように打つ「ヒールアップアプローチ」です。
打ち方はパターのようにウェッジを吊るして持ったら、ヒールアップさせた状態でパターのように打ちます。
この打ち方なら、薄い芝の下の硬い地面とバウンスが干渉することがありませんので、アプローチの引き出しの1つとして持っておくといいでしょう。
アプローチが上達する練習ドリル
アプローチが上達するための練習ドリルを見ていきましょう。
練習場ではもちろん、スポンジボールなどを使えば自宅でも練習がしやすいアプローチは、しっかりとドリルを反復練習できれば大きく実力が伸ばせます。
パターマットでアプローチ
自宅に設置してあるパターマットでアプローチ練習をやってみましょう。
やり方は簡単で、パターマットにボールをセットしたらウェッジでカップインを狙うだけ。この時、ボールをどこに落とすのかを決めて、クリーンにインパクトできるように心がけていきましょう。
右手1本でアプローチ

右手1本でアプローチ練習をするドリルも、上達には欠かせない要素が詰まった練習なのでおすすめです。
右手1本でウェッジを持ったら、手首を固定して肩の動きだけでボールをフェースに乗せる感覚を養っていきます。腕の力を使わずに、右手首をしっかり固定してドリルを繰り返してみましょう。
身体の回転だけを使ってボールを拾っていくように打つのがポイントです。
高さを変えてアプローチ
アプローチ練習で打つ距離を決めたら、高いボール、低いボール、その中間のボールと、ボールの高さを変えて練習をしてみましょう。
ただし、その際変化させるのはボールの位置で、グリップの位置は常に同じ場所にあるのが基本です。
この時、ボールの位置によってハンドファーストの度合いやフェースの立て具合、振り幅などが変わります。どのボールの位置の時にそれぞれどのように変化するか把握して、自分なりの距離感をつかんでください。
アプローチでシャンクが出た時の直し方
せっかくグリーン周りまでボールを運んできたのに、アプローチで連続シャンク! こうなってしまうと一気にスコアが崩れてしまい、自分ではどうすることもできなくなってしまうケースもあります。
アプローチでシャンクの悩みを持つゴルファーは多く、意外と深刻な悩みの1つです。1回出ると何回も繰り返し出てしまう厄介なミスショットです。
シャンクの原因はたくさんありますが、代表的なものがアウトサイドインでのスイングやフォローでの左脇の空き、上体の突っ込みなどです。
すべて手で操作してボールを当てにいこうという意識が強い場合が多いので、肩でアプローチのストロークをするように練習してみましょう。
ラウンドで突然シャンクが出てしまった場合には、応急処置ではありますが、ウェッジの真ん中でインパクトするのではなく、1~2センチくらいトウで打つ意識を持てば、その日のゴルフはなんとか乗り切れるはずです。
アプローチをマスターしてスコアアップを目指そう
アプローチが上手になると飛距離が出ないゴルファーでも十分にスコアが出せるようになり、練習すればするだけ結果が出てくるのもこのアプローチです。
アプローチショットをマスターして、スコアアップを目指しましょう。