アプローチで、バックスピンでボールが戻ったりピタリと止まったりする、スピンが効いたボールは憧れですよね。
ゴルフ初心者は「それってプロゴルファーや上級者の話でしょ……」と思うかもしれません。でも、アプローチでスピンが効いたボールは、ゴルフ初心者だって打てるようになるんです。
アプローチが上達するスピンのかけ方や、打ち方をチェックしてみましょう。
目次
スピンが効いたアプローチを打ちたい状況は?
強くスピンが効いたアプローチが打ちたい場面を考えてみましょう。
スピンが入るとボールはあまり転がらずにピタリと止まったり、スピンが強ければ後ろに戻ったりします。ボールがグリーンに落ちてから、前に転がっていかないのがスピンの効いたボールの特徴です。
そのため、バンカー越えのアプローチでピンが手前にある、グリーン奥からのアプローチで下りのラインが残っているなどのケースが、強くスピンを効かせたアプローチが打ちたい場面になります。
こういう場面は、スピンアプローチ以外の手段がない時とも言えますね。
基本的にアプローチに関しては、転がしのアプローチのほうが失敗が少ないと言われています。
しかし、状況に応じてスピンアプローチが必要な場面では、狙って打てるようにしておきたいものですよね。
スピンをかけたければクラブとボールにもこだわろう
アプローチでスピンをかけるためには、クラブとボール選びにもこだわる必要があります。
まずはクラブ。なるべくロフト角の大きなウェッジを使うのが基本です。サンドウェッジや56度を超えるロフト角のウェッジをチョイスするようにしましょう。
次にボールです。
ゴルフボールは基本的には2層以上の構造になっており、内部のコアと呼ばれる部分と、外側のカバーと呼ばれる部分に分かれています。
アプローチのスピンに大きく関わってくるのが外側のカバーです。
このカバーの材質によって、スピンがかかりやすいもの、かかりにくいものがあります。
ディスタンス系ボールに多く採用されている「アイオノマー」素材のカバーは、飛距離が出る代わりに、表面が滑りやすくなっているためスピンがあまりかかりません。
ツアー系ボールに多くみられる「ウレタン」素材を使っているカバーのボールは、カバーがフェースに食いつくような柔らかい質感が特徴で、スピンがかかりやすくなっています。
そのためアプローチでスピンをかけるためには、ウレタンカバーのツアー系ボールを選ぶことが重要です。
ボールにスピンをかけるにはヘッドの入射角が大切
ボールにスピンをかける時には、極端に上から叩くようにヘッドが入ったり、下からあおり打ったりするような打ち方ではスピンが上手くかかりません。
再現性も低くなりスピン量が打つたびに変わってしまう可能性もあるため、キャリーとランの計算もしにくくなってしまいます。
スピンの効いたアプローチを安定して打つためには、適正なヘッドの入射角でボールをインパクトすることが大切なのです。
以下で、安定してスピンをかけられる打ち方のコツを紹介していきます。
アドレスでは少しだけフェースを開く
アプローチでスピンをかけるためには、フェースを少しだけ開いてアドレスしましょう。
これによりロフトが大きくなり、ボールにスピンがかかりやすくなります。
この時、真っすぐアドレスをしたあとにクラブフェースだけを開いてしまうと、インパクトではフェースが元に戻ってしまいます。
そのため、最初からフェースを少し開いた状態にしてからグリップをすることがコツです。
このやり方なら、フェースが開いた状態でインパクトを迎えられるため、スピンがかかったアプローチが打ちやすくなります。
ボールの位置は右足寄りに
ヘッドを適正な入射角で入れるために、ボールをセットする位置は右足寄りにしておきましょう。
体の中央にボールを置いてしまうと、インパクトがスイングの最下点になります。毎ショットごとにきっちりインパクトできればいいのですが、少しでもインパクトが前後にズレてしまうと、スピンの入り方やボールの高さが微妙に変わってしまいます。
右足寄りにボールを置くと、インパクトが安定する緩やかなダウンブローでヘッドを入れやすくなります。
重心は最初から左に少しかけておく
フェースを開いてボールをやや右側にセットしたら、今度は重心を左にかけるようにします。
この時、体全体を左に傾けるようにするのがポイントで、スイング中はこの左重心を崩さないようにアプローチします。
ゴルフのスイングでは積極的な体重移動が一般的に推奨されていますが、アプローチに関してはその限りではないのです。
体重移動を極力させないように、最初から重心を左に固定してスイングします。
重心を左にかけると左ひざが前に出る!?
左足に重心をかけた時に体が少し左側に傾きます。それだけならいいのですが、左足重心にすることで、左ひざも少しだけ前に出てきます。
そのままアプローチをすると、前に出てきた左ひざが原因で、フォローで腕が詰まってしまいます。そこで左に重心を傾けて、膝が前に出た分だけ左足を後方に下げるようにします。
いわゆるオープンスタンスと呼ばれるものです。
こうすることで、フォローで腕が詰まらずにクラブを振り抜けるようになります。
しっかりインパクトして緩めない!
ボールを打つ時に、グリーン周りからのアプローチでは、距離が短いためついついインパクトで緩んでしまう人も少なくありません。
インパクトで緩んでしまっては、しっかりとスピンの効いたボールは打てません。たとえグリーン周りからのような短い距離のアプローチでも、小さなスイングでしっかりとインパクトをさせることがスピンをかけるコツです。
切り返しからインパクトに向けて、ヘッドを少しずつ加速させていくようなイメージでアプローチをしてみましょう。
フェースにボールを乗せるアプローチ練習ドリル
フェースにボールがしっかり乗らなければ、スピンが効いたアプローチは打てません。そこでスピンが効いたアプローチを打つために、フェースにボールを乗せる練習ドリルをおすすめしたいと思います。
やり方はまず、ボールを置いて、アプローチのアドレスを取りましょう。そしてクラブをソールさせて打つ形を取ったら、バックスイングをせずボールを押すように前に飛ばしてみましょう。
バックスイングは一切せず、ソールしたところからボールをフェースに乗せていきます。
この時、ボールの下をヘッドがくぐってはいけません。ボールをフェースに乗せて前に押し出すような感覚をつかんでください。
スピンが効いたアプローチを練習してものにしよう!
ピンに寄せるためには、ピッチエンドランやランニングアプローチなど、転がし系のアプローチのほうが寄せやすいとよく言われます。
しかし状況によっては、しっかりスピンが効いたアプローチを打たなければいけない場面も少なくありません。
そんな場面に出くわした時に困らないよう、スピンが効いたアプローチを打てるように練習しておくと、いざという時にあなたを助けてくれるでしょう。