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飛距離アップへの道!ヘッドスピードを上げるドリルを紹介

2021/04/26

飛距離アップへの道!ヘッドスピードを上げるドリルを紹介
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ゴルファーにとって永遠の課題とも言えるのが飛距離。

ドライバーでいかに遠くまで飛ばせるのか、多くのゴルファーが悩みを抱えているポイントでしょう。

さてその飛距離ですが、ヘッドスピードと密接な関係があることはよく知られています。そのヘッドスピードをいかに上げていけばいいのか、練習方法などを見ていきましょう。

ゴルフ男子、ゴルフ女子の平均ヘッドスピードはどれくらい?

iStock.com/MichaelSvoboda
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まずはヘッドスピードを上げる練習方法を見る前に、男性、女性のヘッドスピードの平均はどれくらいなのか見てみましょう。

男性ゴルファーの場合は38~43メートル/秒(m/s)くらいが平均で、ドライバーの飛距離は200ヤードから230ヤード程度となります。

女性ゴルファーの場合は33m/s程度が平均と言われ、ドライバーの飛距離にすると約150ヤードとなります。

アマチュア男性ゴルファーのヘッドスピードは女子プロくらい

ここで男性ゴルファーの平均飛距離を見てみたいのですが、飛ぶ方でも約230ヤード。これ以上飛ばす方もたくさんいらっしゃいますが、平均値で見るとこれくらいです。

実は女子プロゴルファーの平均ヘッドスピードは42m/s前後で、ヘッドスピードに関して言えば男性のアマチュアゴルファーとあまり差はありません。

しかしながら女子プロゴルファーは、アマチュア男性ゴルファーと比較すると小さな体格、同等のヘッドスピードで230ヤード以上飛ばす方がゴロゴロいます。

女子プロよりも飛んでいない男性アマチュアゴルファー

ヘッドスピードが42m/s前後でドライバーを230ヤード以上飛ばす女子プロゴルファー。それに対して同じようなヘッドスピードの男性アマチュアゴルファーは、思ったほど飛距離が出ていない、という方も少なくありません。

これにはちゃんとした理由があります。そこには、ミート率や打ち出し角度、バックスピン(スピン)量などが深くかかわってくるのです。

女子プロゴルファーはこれらの数字が適正に近く、アマチュアゴルファーの場合は適正値から離れているため飛距離を伸ばすことができていないのです。

飛距離を出すためには、ミート率やスピン量、打ち出し角の最適化が鍵

iStock.com/Kolbz
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ヘッドスピードにかかわらず、飛距離を出すためにはミート率とスピン量、打ち出し角など、いろいろな要素が関わってきます。

ミート率を算出する計算式は?

ミート率は「ボール初速÷ヘッドスピード」という計算式で算出でき、その理論上の最大値は1.56と言われています。

ちなみにプロゴルファーでは1.5前後、アマチュアでは1.3台が平均的な数値と言われています。プロとアマチュアの違いがここに表れていますね。

アマチュアゴルファーでも平均して1.4台中盤のミート率が出せるようになると、スイングスピードに対して効率良く飛距離を出していると言えるでしょう。

スピン量はどれくらいが適正?

ドライバーには適正スピン量があって、多過ぎるとボールが上に舞い上がってしまい、少な過ぎるとボールがドロップして下に落ちてきてしまいます。

ドライバーショットの際、一番飛距離が出るスピン量は、ヘッドスピードにもよりますが2000~2500回転/分くらいと言われています。

スライスに悩むゴルファーはスピン量が一般的に多くなる傾向にあり、3000回転台後半から4000回転を超える方もいます。飛距離が伸びない原因は、このスピン量も大きく関係しています。

このような方は、スピン量を適正に近づけるだけで大きく飛距離を伸ばせるようになります。

打ち出し角の適正値はどれくらい?

ボールを打った瞬間、どんな角度でボールが飛び出していくのかも非常に大切な要素です。

当然低過ぎればボールがすぐに落下してしまいますし、高過ぎればボールが上に飛ぶだけで飛距離が出なくなります。

ズバリ、打ち出し角の適正な角度は、スピン量同様ヘッドスピードにもよりますが、12度から16度くらいと言われています。

ヘッドスピードから導き出される飛距離の計算式

iStock.com/hh5800
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打ち出し角やスピン量などが仮に適正だったとして、ヘッドスピードからどれくらいの飛距離を出せるのか見てみましょう。

飛距離と言ってもランを含むか含まないかによって変わりますが、ここでは傾斜などによって影響を受けるランは含まないことにします。

飛距離(キャリー)のおよその目安は「ヘッドスピードの5.5倍」と言われています。

この計算式を元に飛距離を算出すると、ヘッドスピードが42m/sのゴルファーが打つと231ヤードキャリーで飛ばせる計算です。

ランも含めれば240ヤード以上の飛距離になります。

ヘッドスピードが上がれば飛距離が伸びる可能性がある

ミート率やスピン量、打ち出し角などが理想値に近づいてくると、飛距離を伸ばせる要素は、あとはヘッドスピードということになります。

逆に言えば、ミート率が悪くても、人並み以上のヘッドスピードがあればそれだけ飛距離が期待できますよね。

ヘッドスピードを上げるための練習ドリル

iStock.com/show999
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ヘッドスピードを上げるための練習ドリルを紹介します。

ミート率を上げる練習と平行して、ヘッドスピードを上げる練習ドリルでドライバーショットの飛距離を伸ばしていきましょう。

重いクラブと軽いクラブを交互にスイングする

ヘッドスピードを上げるドリルに、重いクラブと軽いクラブを交互にスイングする方法があります。

やり方は、重いクラブをフルスイングで10回、その後軽いクラブでフルスイングを10回。次にまた重いクラブに戻って10回と、交互に重いクラブと軽いクラブを素振りしていきます。

コツは、フルスイングを心がけることです。重いクラブを振るとパワーは付きますが、スピードは身に付きません。そのため軽いクラブをその後に振って、速い動きを体や筋肉に覚え込ませていくのです。

野球では昔からスイングスピードを上げる練習方法として一般的に行われているもので、ゴルフに転用したのがこのドリルです。

ドライバーを左手1本でスイング

ヘッドスピードをアップさせるためには、インパクト周辺でどれだけヘッドを加速させられるかがポイントになります。

インパクト付近で手元にブレーキをかけてヘッドを走らせると、スイングスピードがアップします。

しかし、ヘッドスピードを上げようとしても、手打ちや上半身に頼った打ち方になってしまうと、どれだけ振ってもヘッドが走っていかないのです。

そこでヘッドを走らせる感覚を体感するために、左手1本でドライバーを振ってみましょう。

手元で余分な動きがまったくできないため、自然にグリップが減速してヘッドが走るスイング体得できます。

最初は、ドライバーを左手1本で逆さに(グリップ側を)持って、フォロー側(体の左側)で「ビュッ」と音がするように振る練習をしてみるといいでしょう。

ヘッドスピードがアップする練習器具もおすすめ

ヘッドスピードをアップさせるためには、ドリルを行うだけでなく専用の練習器具もあります。

特におすすめなのが、柔らかいシャフトを装着したクラブ状の練習器具で、振るだけでヘッドの走りを体感できるものです。スイングするだけでヘッドの走りを体に覚えさせられるので、スイングスピードをアップさせるのに適しています。

重いクラブと軽いクラブを交互にスイングするドリルでは、クラブを2本用意する必要がありますが、これなら練習器具1本で大丈夫。

キャディバッグに入れておけば収納も簡単です。

筋トレは飛距離アップに有効なのか?

iStock.com/Dmytro Varavin
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練習ドリルや練習器具でもヘッドスピードは上がりますが、筋力トレーニングでもヘッドスピードは上がります。ヘッドスピードが上がれば自然と飛距離アップも見込めますよね。

ゴルファーの筋力トレーニングには賛否があるかもしれませんが、PGAツアーで肉体改造をして大幅な飛距離アップをしたのが「ゴルフの科学者」ことブライソン・デシャンボー。

2019-20シーズンでは、平均ドライバー飛距離320ヤード以上を記録しているというから驚きです(2021年4月現在)。腕力だけでなく、体幹や下半身の筋肉もかなり大きくなっているのが画面からもわかります。

一般のゴルファーでも女性よりも男性のほうが飛距離が出ることを考えると、筋肉を付けたほうが飛距離はアップすることは明白でしょう。

プロゴルファー飛ばし屋ランキング

最新シーズンのプロゴルファーの飛ばし屋たちをトップ3のランキングで見ていきたいと思います。

アメリカPGAツアーでは、前述したブライソン・デシャンボーは規格外の飛距離だとしても、日本のプロゴルファーたちはどれくらいの飛距離を飛ばしているのでしょうか。

ツアー参戦している日本人選手の男女のベスト3の飛ばし屋たちをご紹介します(男子は2019シーズン終了時データ、女子は2020-21シーズン4月現在のデータによる)。

日本人男子第3位! 永野竜太郎

日本ゴルフ界の中でも以前から飛ばし屋としての存在感を放っている永野竜太郎選手が第3位です。

平均飛距離は301.6ヤード。300ヤードを超える飛距離を叩き出しています。

30歳を超えてもなおツアー屈指の飛ばし屋として知られています。バックスイングで左足がめくれる独特のフォームで捻転差を作り出す、パワフルなスイングが持ち味です。

日本人男子第2位! 池村寛世

堂々の日本人第2位の記録を持つのが池村寛世。

その平均飛距離は303.52ヤード。平均飛距離なので、おそらく毎回ティーショットでは300ヤード前後をかっ飛ばしていることになるでしょう。

この池村プロ、なんと身長が166センチ。

プロゴルファーの中でも非常に小柄です。一般男性と変わらないか、それよりも小さなくらいですよね。それでも300ヤードを超えるドライバーショットをかっ飛ばす姿は圧巻ですね。

日本人男子第1位! 幡地隆寛

10歳からゴルフを始めたという幡地隆寛は、ゴルフの名門東北福祉大学のゴルフ部出身。

驚きのドライバーの平均飛距離は、なんと315.3ヤード!

細身の体からは信じられないような弾道でボールが飛んでいきます。ゆったりしたスイングと大きなスイングアークが特徴です。

日本人女子3位! 渡邉彩香

続いて国内の女子の平均飛距離を見ていきましょう。

女子ツアーの飛ばし屋と言えば、真っ先に名前が浮かんでくるのが渡邉彩香選手。大きくパワフルなスイングから放たれるドライバーは平均254.57ヤード。

アマチュア男性の飛距離を軽々と超えてくるパワフルなスイングが持ち味です。

日本人女子2位! 原英莉花

ジャンボ尾崎の愛弟子としても知られる期待のホープ、原英利花選手。

173センチという恵まれた体格から放たれるドライバーショットは平均256.33ヤードを記録しています。

上半身と下半身の捻転差をしっかり作り、飛距離を最大化していることがわかります。ドライバーショット時に体や頭がブレず、飛距離を安定して生み出すスイングです。

日本人女子1位! 勝みなみ

日本人女子の第1位は勝みなみ選手です。飛距離は圧巻の257.07ヤード!

原英利花選手や渡邉彩香選手のように体格に恵まれているわけではなく、身長はなんと157センチと小柄なのです。飛んで曲がらない、とも言われる勝みなみ選手のドライバーはアマチュアにも参考になるスイングでしょう。

前年度は249.6ヤードで第9位でしたが、コロナ禍の休止期間中に徹底的に体を鍛え、この大きな飛距離アップにつなげています。

テンフィンガーグリップで握る女子プロとしても有名で、コンパクトなトップから放たれるドライバーは衝撃の一言です。

ヘッドスピードはトレーニングでアップする!

iStock.com/warrengoldswain
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ヘッドスピードはトレーニングでアップしていきます。ヘッドスピードがアップすれば、あとは飛距離を稼ぐために大切な、ミート率、打ち出し角、スピン量といった要素を適正値に近づけていくだけ!

ティーショットが飛んでくれればそれだけゴルフは有利に、そして楽しくなってきます。ぜひともあきらめずに、飛距離アップに取り組んでみてください。

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