
フェアウェイウッドやユーティリティを上手に扱えるようになると、ゴルフの幅が大きく広がります。
初心者の内はどうしてもアイアンやドライバーの練習を中心に行っていく方が多いのですが、フェアウェイウッドやユーティリティもまんべんなく練習していくと、もっとゴルフが楽しくなるはずです。
フェアウェイウッドやユーティリティの打ち方や、それぞれの違い、練習方法などを詳しく解説していきたいと思います。
※文中の左右の表現は「右打ち」のゴルファーを前提としたものです。左打ちの方は左右を読み替えてご覧ください。
目次
- フェアウェイウッドはドライバーの次に飛距離が出るクラブ
- メンズとレディースで変わる? フェアウェイウッドセッティング
- ユーティリティはフェアウェイウッドとロングアイアンのデメリットを解消!
- フェアウェイウッドとユーティリティの打ち方の違い
- フェアウェイウッドやユーティリティを打つ時のボールの位置は?
- フェアウェイウッドもユーティリティも基本はハンドファースト
- トップをコンパクトにすることが打ち方のコツ
- フェアウェイウッドとユーティリティを上手に打つための練習方法
- フェアウェイウッドやユーティリティはボールが上がりやすいため女性にも扱いやすい!
- アイアンからの流れをカスタムで作りやすい!
- なんでロングアイアンじゃダメなの?
- つかまりやすいフェアウェイウッドとユーティリティはフックにご注意
- シチュエーション別! こんな時はどっちを使う?
- フェアウェイウッドとユーティリティを使いこなそう
フェアウェイウッドはドライバーの次に飛距離が出るクラブ
まずフェアウェイウッドの特徴をチェックしていきましょう。
フェアウェイウッドはドライバーの次に飛距離が出るクラブで、地面から直接打てるクラブの中では最も遠くまで飛ばせます(“直ドラ”という、地面の上からドライバーを打つ特殊なショットを除く)。
クラブの形状はドライバーのヘッドを小さくしたような形をしています。
メンズとレディースで変わる? フェアウェイウッドセッティング

フェアウェイウッドは、ゴルファーによってセッティングに個性が出やすいクラブです。
特に、ボールが上がりやすいという特徴があるため、ヘッドスピードが遅い女性やシニアゴルファーにはフェアウェイウッド中心のセッティングをしている人も多く見られます。
フェアウェイウッドが好きなゴルファーの中には、アイアンやユーティリティの本数を減らして、3番、5番、7番、9番と揃えている方もいます。
ユーティリティはフェアウェイウッドとロングアイアンのデメリットを解消!

ゴルフクラブの中でももっとも歴史の浅いクラブがユーティリティです。ユーティリティは、フェアウェイウッドとアイアンの間を埋めるクラブで、ロフト角が19度~24度前後が主流となっています。
本来このくらいのロフト角はショートウッド(7番ウッドなど、短いフェアウェイウッド)やロングアイアンだったのですが、ユーティリティはフェアウェイウッドよりもクラブ長が短いためスイングがしやすく、打つ際にロングアイアンよりもヘッドスピードを必要としないため、「とにかくやさしい!」と近年多くのゴルファーから人気を得るようになりました。
ウッド型とアイアン型の両方がある! 主流はウッド型
ユーティリティにはウッド型とアイアン型があります。アイアン型のユーティリティはロングアイアンのような形状、長さをしており、使いこなすにはちょっと難易度が高め。
そのため現在は、扱いやすくて打ちやすいウッド型のユーティリティが主流となっています。アイアン型のユーティリティは、アイアンが好きでロングアイアン代わりに使いたい! というゴルファーに選ばれています。
「アイアンを何番まで入れるのか」が、ユーティリティ選びのコツ
ユーティリティがカバーするロフト角は19度から24度前後の範囲がメインになります。
そのためショートウッドやロングアイアンでもカバーできてしまうため、セッティングに頭を悩ませる人もいることでしょう。
ユーティリティ選びのコツは、手持ちのアイアンを何番まで入れるのかを考えてみることです。例えば、5番アイアンがアイアンセットに入っていてもなかなか使う機会がない、という方もいると思います。
こうした方は、アイアンは6番からセッティング。それ以上の飛距離をカバーするユーティリティを用意する、と考えればセッティングがやりやすくなります。
ユーティリティは、最近では多くのプロゴルファーが使用していることからも、その扱いやすさがわかります。女子プロゴルファーの中には、アイアンは7番からで、それ以上はユーティリティでカバーするという、極端にユーティリティに寄せたセッティングをしているプロもいるほどです。
フェアウェイウッドとユーティリティの打ち方の違い

フェアウェイウッドとユーティリティ(ウッド型)は、形状はとても似ていますが、打ち方には違いがあるのでしょうか。
形の違いと言えば、ソールが広く、重心が深い(フェース面から遠い)のがフェアウェイウッド。ソールがフェアウェイウッドよりも狭めで、重心がやや浅い(フェース面から近い)のがユーティリティとなります。
どちらもドライバーを小さくしたような形なのですが、それぞれ打ち方にはどんな違いがあるのか見てみましょう。
フェアウェイウッドの打ち方は払い打ち!
ドライバーを小さくしたような形状をしているフェアウェイウッドは、ソールが広いため払い打ちが基本です。払い打ちとは、ボールの前後のインパクトゾーンを、クラブヘッドを低く長く、払うように移動させる打ち方のことです。
ボールを後ろから前に押し出してあげるようにヘッドを動かすのがポイントで、ほうきで払うように、とも言われます。
払い打ちをすると、フェアウェイウッドの広いソールが芝の上を滑ってくれますので、仮にボールの手前にヘッドが落ちたとしてもヘッドが滑ってダフらずにボールが打てます。
ユーティリティの打ち方はダウンブローもあり
ユーティリティも、フェアウェイウッドと似たような形状であることから、基本的には払い打ちのイメージで大丈夫です。
ただし、ダウンブローでも問題なく使えるのがユーティリティのいいところ。
払い打ちでも広めのソールが芝を滑ってくれますし、アイアンと同じようにダウンブローに打ちにいっても問題ありません。
フェアウェイウッドのように使っても、アイアンのように使っても、どちらでも大丈夫という懐の深さがユーティリティの魅力です。
フェアウェイウッドやユーティリティを打つ時のボールの位置は?

フェアウェイウッドやユーティリティを打つ時、ボールを置く位置は身体の真ん中よりもボール1つ分前(左足側)が基本です。クラブが短くなるにつれ、ドライバーのボール位置よりも右寄りになり、体からはクラブが短くなる分近くなります。
ただし絶対にダフリたくない場面や、ボールに直接コンタクトさせたい場合には、通常よりも少し右足寄りにずらすなどして調整することも重要です。
フェアウェイウッドもユーティリティも基本はハンドファースト
フェアウェイウッドやユーティリティに限らずですが、基本はハンドファーストになるように構えて、インパクトをしていきましょう。
「ハンドレイト」という、ヘッドが前に出てきてしまうインパクトでは、トップなどのミスが出やすくなります。
フェアウェイウッドもユーティリティも、ゴルフスイングの基本となるハンドファーストは鉄則となります。
トップをコンパクトにすることが打ち方のコツ
地面から直接打てるクラブで、飛距離が出せるフェアウェイウッドやユーティリティは、強くクラブを振りたくなってしまいます。
しかし、飛距離を出そうとすると、どうしてもスイングに力みが生まれてしまってミスショットが増えてしまう可能性があります。
かと言って弱くスイングをしようとしても、手が緩んでしまってヘッドが手前に落ちるダフりのミスになることも。
そんなフェアウェイウッドやユーティリティの打ち方は、トップを小さくコンパクトにすることがコツ。トップを小さくするだけで、スイング全体がまとまってスイングのバラつきが少なくなります。
また、トップを小さくすることで、スイングも緩みにくくなります。
フェアウェイウッドとユーティリティを上手に打つための練習方法
フェアウェイウッドとユーティリティが上手に打てるようになると、パー5などのロングホールでのセカンドショットや、左右が狭いホールでのティーショットが自信を持って打てるようになります。
そこでフェアウェイウッドやユーティリティを上手に打てるようになるための練習方法を見ていきましょう。
ハーフショットでミート率アップ!
どんなクラブにも当てはまる万能な練習方法が、こちらのハーフショットです。
シャフトが腰から腰までの地面と平行になる高さでスイングをして、ボールを打つだけというとっても簡単なのに効果的な練習方法です。
この時、ヘッドを低く動かしてボールを払い打つような動きと、クラブヘッドをボールに直接コンタクトさせることを意識してハーフショットを繰り返していきましょう。
ヘッドをコントロールするハイティーアップ練習
フェアウェイウッドやユーティリティを打つ時に、ドライバーくらいの高さでティーアップをして打ちます。この時のスイングはハーフショットからスリークォーターショットで行います。
このドリルで大切なことは、高くティーアップをしてあるボールだけを打つ意識を持つようにすることです。
高くティーアップしたボールだけをきれいにインパクトできるようになると、インパクトが安定してダフりやトップのミスを大きく減らせるようになります。
スイングチェックで動画撮影を活用しよう
ゴルフの練習では自分のスイングを客観的に確認することが非常に有効です。自分のイメージと実際の動きにはズレが生じていることも多く、正しい動きができていないことも少なくありません。
ドリルでのスイングチェックや、スイングの確認などにぜひ動画を活用してみてください。
フェアウェイウッドやユーティリティはボールが上がりやすいため女性にも扱いやすい!

フェアウェイウッドやユーティリティの練習を続けていくと、アイアンよりもボールが上がりやすいことに気が付くはずです。
どちらのクラブもヘッドに奥行があり、重心が深くなっているためです。
そのためヘッドスピードが遅めのシニアゴルファーや女性ゴルファーでもボールに高さを出しやすいメリットがあります。
アイアンからの流れをカスタムで作りやすい!
ゴルフクラブのセッティングでは、まずアイアンとドライバーを決めて、その間のロフト角をフェアウェイウッドとユーティリティで埋めていく、という考え方が一般的です。
そこで気になるのがクラブバランスの流れ。
ある程度バランスを整えたとしても
「もう少しつかまりがほしい」
「硬めのシャフトに変更したい」
という微調整がやりやすいこともフェアウェイウッドやユーティリティのメリットです。
オモリを貼ったりシャフトを交換したりして微調整できる幅がアイアンよりも大きいのです。
少ないながらもフェアウェイウッドやユーティリティで使えるスチールシャフトもあり、ゴルファーの好みでいろいろと調整できる点はうれしいポイントです。
なんでロングアイアンじゃダメなの?
3番アイアンや4番アイアンといったロングアイアンと、フェアウェイウッドとユーティリティで打てる距離は重なっています。
近年ではめっきり使っている人が少なくなった3番アイアン、4番アイアンといったロングアイアン。なぜロングアイアンではダメなのでしょうか。
それはシャフトが長く、重心深度が浅いため、パワー(ヘッドスピード)がないとボールが上がりにくくなるためです。シャフトが長くなればそれだけボールをしっかりとらえることが難しくなりますし、非力なゴルファーはそもそも打ち切れない場合もあります。
だからこそ、パワーがなくてもボールが上がってくれるフェアウェイウッドやユーティリティがロングアイアンに代わってセッティングの主流となっているのです。
つかまりやすいフェアウェイウッドとユーティリティはフックにご注意
重心が深くボールがつかまりやすいフェアウェイウッドやユーティリティ。打ちやすく飛距離を出しやすいクラブですが、重心が深い形状であるためにボールがつかまり過ぎてしまう、いわゆるフックボールに悩まされる人もいます。
もしフェアウェイウッドやユーティリティでフックボールが出てしまう場合には、シャフトを少しつかまらないものに変更する、オモリをクラブヘッドのトウ(先端)側に貼って調整するなどのカスタマイズを試してみましょう。
シチュエーション別! こんな時はどっちを使う?
同じような飛距離を担当するケースが多いフェアウェイウッドとユーティリティですが、使う場面によってはちゃんと使い分けをしたほうがいいケースもあります。
そんなシチュエーション別のフェアウェイウッド、ユーティリティの使い分け術を見てみましょう。
ティーショットをフェアウェイウッド/ユーティリティで安全に
ティーショットで落としどころが狭い場面では、フェアウェイウッドやユーティリティで安全にショットをしていきましょう。
ティーショットはドライバーで飛距離を稼いでおきたいところですが、フェアウェイが狭くてラフに入ってしまったり、OBになってしまったりするとスコアが崩れる原因にもなります。
また、ドライバーで打つとハザードやOBになってしまう意地悪なレイアウトのホールもあります。
そんな時は、多少飛距離を犠牲にしてでも、曲がりにくくて打ちやすいフェアウェイウッドやユーティリティを選択するのも1つの手です。
フェアウェイウッドはディボット跡からでもOK!

ロングホール(パー5)やミドルホール(パー4)で距離が残った時のセカンドショットの場面は、フェアウェイウッドの出番です。フェアウェイにボールがあって、芝の上にボールが乗っているような良いライからのショットはもちろん、多少のディボット跡からでも打てるのが、フェアウェイウッドの強みです。
ただし、ボールがラフの芝に沈んでいるような場合は、特にロフトの立った3番や5番フェアウェイウッドでは打ちにくくなってしまいます。そのため、ラフに入っている時は、フェアウェイウッドで打てるかどうかは慎重に判断しましょう。
ボールが半分ラフに沈んでいたらユーティリティ

ボールが半分くらいまでラフに沈んでいる場合は、ユーティリティでも打てます。これはフェアウェイウッドよりもソール幅が狭く、ダウンブローのスイングがしやすくなるためです。
ユーティリティが使えるかどうかは、ボールがラフの上に半分以上出ているかがポイント。これよりもボールが浮いていればユーティリティは使えます。ボールの半分以上が芝に沈んでいる場合では、ユーティリティでもミスショットの確率が低くなりますので避けたほうが無難です。
ただし、ラフから打てるかどうかの難易度は、ユーティリティのロフトによっても変わってきます。
20度以下のロフトが少ないユーティリティの場合は、少しでもラフに埋まっていると脱出が困難になりますが、21度以上のある程度ロフトが寝ているユーティリティの場合は、多少ボールがラフに埋まっていても容易にラフから脱出できるでしょう。
フェアウェイウッドとユーティリティを使いこなそう
フェアウェイウッドとユーティリティ、それぞれの特徴を覚えて、ラウンドでぜひ使いこなしてみてくださいね。
ここで挙げた練習方法も試してみて、コースで自信を持ってショットできるようにがんばっていきましょう。